ファクスを支える技術をご存知ですか?

ブラザー資料室 Brother Library

ファクスを支える技術をご存知ですか?

f:id:brotherblog:20050920191837g:image


こんにちは。ブラザーの伊藤です。ファクス*1がどうやって送受信されているのか、そんなお話をしていきたいと思います。


例えば、原稿をファクスで送受信する時には、


  1. 原稿を読み取り
  2. 情報を送信
  3. 情報を受信

といった流れでファクスが送受信されるんですね。こうやって書いてしまうと一見簡単そうなんですが、ファクスって結構細かいことやってるんです。


1.原稿の読み取り

まずは原稿の読み取りですね。ファクスの中にも原稿を読み取るスキャナがはいってます。スキャナは原稿に光を当てて、その光の反射の仕方で原稿を読み取っているんですね。(詳しくはコチラ)、通常A4サイズの原稿ですと...

f:id:brotherblog:20050928164602j:image

このイラストのように、横におおよそ1600列、縦におおよそ1100行のマス目にわけて、文字が書かれているのか(黒色)・書かれていない(白色)のかを読み取るんです。


こうやってA4の原稿を、約190万個ものマス目にわけることで、原稿に何が書かれているのかを読み取っているんです。*2


2.データの圧縮

さて、約190万個のマス目の白・黒が読み取れると、今度はそれを電話回線を使って相手のファクスに送り届けるわけです。でも約190万個ものデータを送るのって大変ですよね。数も多いし、とても重そうです。これではデータを受け取る方も一苦労ですよね。

f:id:brotherblog:20050928164756j:image

ですからこのデータを圧縮して小さくしてから送信してるんです。圧縮というのは、たとえば下のような10個の情報を・・・

f:id:brotherblog:20050928164713j:image

左から7個が白それ以外は黒の情報


f:id:brotherblog:20050928164648j:image

様々な方法を用いて・・・


f:id:brotherblog:20050928164727j:image

コンパクトにまとめてしまうことなんです。


そうすることで、送信する方も、受信する方も素早くできるようになる訳です。

f:id:brotherblog:20050928164740j:image





3.データの送受信

さて、では圧縮された情報がどのように送られるのか、ですが…。ファクスを送る時って、次のような音がしませんか?

f:id:brotherblog:20050929163609j:image

これはファクス同士が会話している音なんですよ。

f:id:brotherblog:20050929162719j:image

送る側のファクス:『ポー...(こちらファクスです。今からファクス送るよ!)』


受け取る側のファクス:『(了解。僕は家庭用のファクスだからあんまり早く情報を送ってもらっても困るんでゆっくり頼みます。)』


という感じでファクス同士が今からどのように情報をやりとりするかを対話で決めているんです。ファクスはもちろん各メーカー、各機種によってもっている能力が異なります。そこで、お互いのファクスの性質をお互いが理解し、通信が上手くいくように、対話するんですね。この対話に失敗してしまってはあとあと情報の送受信がうまくいきません。そこでこの対話はノイズに強いかなりゆっくりした速度で確実に行っているんです。


ご家庭にあるファクスが原稿を送る時、電話がつながってからすぐにファクスを送り始めるのではなく、しばらくしてから原稿を送りはじめるのは、上の対話を行っているからなんですよ。


ところで、この対話や情報の送信に時間がかかると電話料金がかさんでしまいますよね?。


そこでMFC-7820Nなどでは情報の送信を高速*3で行うようにしているんです。この図を見てください。 この図はA4判700字程度の標準原稿5枚を標準画質で送信した場合の図です。

f:id:brotherblog:20050929162742j:image


下の棒グラフが示すようにMFC-7820Nは、ファクス同士の対話や情報の送信を早く行えるので、お仕事などで大量にファクスする方には向いているかもしれません。*4


さてこれでファクスを送受信する準備が整いました。でも時にファクスにはとても重要な情報が含まれています。せっかく送った情報が正しく送られていなくては大変です。そこで、念には念を入れて、まずは「お試し」で簡単な情報を送受信するんです。

f:id:brotherblog:20050929165336j:image

「お試し」が終わってはじめて原稿に書かれた情報を送り出します。

4.データの送信開始


ファクスにはモデム(変復調装置)っていうのが入ってます。これはコンピュータがわかる言葉を音声に変えたり、音声をコンピュータがわかる言葉に変えるものなんですね。つまりファクスの中のスキャナが読み取った情報を・・・

f:id:brotherblog:20050930110551j:image

このように音に換えるんです。その音を相手のファクスに電話線をたどって伝えるんですね。


ファクスに馴染みの無いお客様から、


『普通の電話回線でもファクスは使えるの?工事は要らないの?』


というご質問をたまにいただくことがありますが、この原理を知っていただけば、何も特別な準備が必要ないことがご理解いただけると思います。


このモデムから発せられた音をいつも皆さんが電話をする時と同じように、相手のファクスが聞き取り、受信側のファクスのモデムが、この音をコンピュータにわかる言葉に変えるんです。

f:id:brotherblog:20050930110613j:image

この伝わった音をもとにして、ファクスが印刷を開始する訳です。

f:id:brotherblog:20050930110625j:image


といった訳で、ファクスの送受信にまつわる雑学でした。



編集日:2006年10月23日


このトピックスは2005年9月28日、29日、30日のブラザー社員のブログを再編集したものです。

*1:モノクロファクスです。

*2:画質モードによって異なります。

*3:SuperG3規格

*4:高速通信はお互いのファクスが同じ規格に準じている場合にのみ可能です。