究極のディスプレイ...只今開発中

ブラザー資料室 Brother Library

究極のディスプレイ...只今開発中


こんにちは。ブラザーの渡辺です。

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ここでは、今ブラザーが研究している究極のディスプレイをご紹介しましょう。


皆さんが普段ご覧になるディスプレイはきっと...

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こんなのだったり、薄型の...

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こんなだったりしますよね。


でも今研究中の究極のディスプレイは、なんとディスプレイがなくても、映像を楽しめる究極のディスプレイなんです。一体それはどんなディスプレイだと思いますか?答えの前にちょっぴり「うんちく」です。


■人は物をどうやってみているの?


人がものを見ることができるのは、目の中に光の像ができるからなんです。今皆さんにはこの記事を読んでいただいていますが、それは皆さんの目の中に、ディスプレイから発せられた光が届いているからなんですよね。


ということは、光で映像を作り出し、それを皆さんの目にお届けできれば、ディスプレイが無くても、映像を楽しんでいただけますよね?。ブラザーは今そんな究極のディスプレイを研究しているんですよ。


答えの前にもうちょっとだけうんちくをみていきましょう。まずは光の原理から。


■光の原理


光には3原色というものがあります。


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この「赤」「青」「緑」の3つの光を混ぜ合わせることで、様々な色の光を作ることができるんです。例えば、上のイラストのように、「赤」と「青」と「緑」の光を混ぜ合わせると白の光になります。


皆さんがご使用になっている液晶ディスプレイの画面をルーペで拡大して見てみると、液晶画面の白色は...


『「赤」と「青」と「緑」の3つの光が同時に発せられているから白く見えている』


ということががわかるかもしれません。

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その光が人の目の中の『網膜』という部分に届きます。そしてその情報が脳に伝わることで、人は物を見ることができているんです。例えば今この記事をお読みいただいている皆さんの目には...

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このように、ディスプレイが発した光が『網膜』に映っているからこそ、見ることができるんですね。


少しずつですが、ブラザーが研究している『ディスプレイがなくても、映像を楽しめる究極のディスプレイ』の正体に近づいてきましたが、それは一体どんなものなんでしょうか。答えからいいますと、このように

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人の目の中に、安全な明るさの光をお届けすることで、ディスプレイやスクリーンがないのにも関わらず、映像を見ることができるという究極のディスプレイをブラザーは今研究中なんです。


その名も『網膜走査ディスプレイ(英名RSD:Retinal Scanning Display)』と言うんですよ。


■網膜走査ディスプレイって何?


こちらの写真をご覧ください。

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このように『網膜走査ディスプレイ』をのぞくと、人の目に「赤」「青」「緑」の微弱な光が届けられ、スクリーンやディスプレイが無くても映像を楽しむことができるんです。これが『網膜走査ディスプレイ』の正体です。


身近なモノに例えますと…映画館を思い浮かべてみてください。映写機から発せられた光がスクリーンに映されることで、皆さんは映画を楽しむことができますよね。

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網膜走査ディスプレイもそれと良く似ています。光源から発せられた微弱な赤・青・緑の光を人の網膜をスクリーンとして投影するんです。そうすることで人は臨場感のある映像を楽しむことできるという訳です。

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にしても...プリンタを作っているブラザーがどうしてこの技術を研究しているのでしょうか?


実はプリンタの技術の応用が、この『網膜走査ディスプレイ』の技術につながるからなんです。


レーザープリンタの印刷の仕組みをおさらいしてみると、レーザープリンタは版画と同じように、ドラム(版)に絵をつくり、そこにトナー(墨)をつけ、紙に転写することで印刷をしていました。


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レーザープリンタはドラム(版)の絵になる部分だけに光(レーザービーム)を照射することで版をつくりますが、その時に活躍するのがポリゴンミラーと呼ばれる六角形の鏡です。




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ポリゴンミラー



このポリゴンミラーが高速回転することで、光源から放たれた光を様々な方向へ照射することができるんです。HL-2040のような小さなプリンタの中でも、ドラムの左右方向へ光を照射することができるのはこのポリゴンミラーのおかげなんです。


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ポリゴンミラーが回転し光があたることでドラム(版)に絵ができる



このポリゴンミラーと同じように、『網膜走査ディスプレイ』の中のミラーが、人の目の中の網膜に、高速に微弱な光を次々とあてて、映像を作り出すことができるという訳です。*2 このように『網膜走査ディスプレイ』とレーザープリンタの間には深いつながりがあるんですよ。


でも一体『網膜走査ディスプレイ』を覗いてみると、どのように見ることができるんでしょうか?


■網膜走査ディスプレイの特徴


このディスプレイの特徴はとてもキレイな大画面で見れるだけでなく、シースルー表示ができたり、立体映像の新たな可能性を秘めているんです。また視力が悪くても見ることができたり、スクリーンが無いにもかかわらず、空間に表示されているように見えるのも特徴の一つです。


例えばこのような感じです。

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実際に存在する車をみているとします。そこへ『網膜走査ディスプレイ』を使って女性の絵を目の中に投影すると



不思議なことに、いるはずのない女性が車の前に見えるだけでなく、女性は半透明でみえるため後ろの車も同時に見える…という訳です。


では実際の映像をご覧いただきましょう。

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こちらは、『網膜走査ディスプレイ』をつかって映し出した立方体です。これを実際に存在する本と重ねて見てみると





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このように見えるんです。立体感があるだけでなく、立方体が透けていることを感じていただけると思います。


こちらは網膜捜査ディスプレイで映し出した蝶と実際に存在する本の様子です。

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■網膜走査ディスプレイをご体験いただけます


この『網膜走査ディスプレイ』、ブラザーの展示館『ブラザーコミュニケーションスペース*3にて、この『網膜走査ディスプレイ』をご体験いただけます。お近くにお立ち寄りの時には、是非一度ご覧いただければと思います。


編集日:2006年10月23日

このトピックスは2005年11月28日,30日,12月2日,6日のブラザー社員のブログを再編集したものです。

*1:イラストは簡略化されたものです。

*2:網膜走査ディスプレイの光は目に入れても安全な光です。

*3:本展示館は一度に入館できる人数に限りがございますので、事前の予約をお願いいたします。 なお入場料は無料です。(詳細はコチラ